「少し吹いただけなのに、すぐ息が苦しくなってしまう」
「曲の途中で息が足りなくなり、最後まで続かない」
鍵盤ハーモニカを始めたばかりの大人の方から、よく聞くお悩みです。
でも、息が続かないからといって、肺活量が足りない、楽器に向いていない、と決めつける必要はありません。
最初に息をたくさん出しすぎていたり、息を吸う場所を決めていなかったりするだけで、苦しくなっていることもあります。
鍵盤ハーモニカは、強い息で押し切る楽器ではありません。息を少しずつ使い、短いフレーズに分けると、今までより楽に吹けるようになります。
この記事では、鍵盤ハーモニカで息が続かない時に確認したい原因と、大人の初心者が楽に吹くための5つのコツをご紹介します。
鍵盤ハーモニカで息が続かないのは、肺活量だけが原因ではありません
息が苦しくなると、「もっと大きく吸わなくては」と考えがちです。
けれども、吸う量を増やす前に、今ある息をどのように使っているかを確認してみましょう。
最初の一音で息を出しすぎている
曲の最初から元気な音を出そうとして、息を一度にたくさん吹き込んでいませんか?
最初に息を使いすぎると、フレーズの後半まで残りません。大きな音を出そうとせず、まずは会話をする時のような自然な息で一音を鳴らしてみましょう。
鈴木楽器製作所も、鍵盤ハーモニカはゆっくりとした優しい息づかいで演奏し、強すぎる息ではきれいな音にならないと案内しています。
息を吸う場所が決まっていない
歌には、言葉の切れ目があります。鍵盤ハーモニカの演奏にも、自然に息を吸える場所があります。
息継ぎを決めずに吹き始めると、苦しくなった場所で慌てて吸うことになります。すると、次の音に遅れたり、肩に力が入ったりしやすくなります。
苦しくなる前に吸う。これが大切です。
指や肩に力が入り、呼吸しにくくなっている
間違えないように鍵盤を強く押し、前かがみになっていると、呼吸が浅くなりやすいものです。
机に楽器を置く場合は、椅子の高さやホースの位置を確認します。ホースが短く感じる姿勢では、顔が下を向きすぎることがあります。
背筋を無理に反らす必要はありません。肩を上げず、胸やお腹の周りが窮屈にならない位置を探しましょう。
鍵盤ハーモニカを楽に吹く5つのコツ
息、指、リズムを最初から全部合わせようとすると、体に力が入りやすくなります。
まずは短い音で、少ない息から。次の5つを一つずつ試してみてください。
一音を優しく鳴らす
最初は曲を吹かず、一つの鍵盤を押して音を出します。
大きな音を目指さず、細く、途切れずに音が出る息の量を探してみてください。
「これだけの息でも鳴るのね」と分かると、吹きすぎを減らしやすくなります。
息継ぎの場所を先に決める
歌詞がある曲なら、言葉の切れ目を探します。歌詞がなければ、メロディーが一段落する場所を選びます。
楽譜には、息を吸う場所へ小さく「∨」などの印を付けておくと安心です。
全部つなげるより、音楽の区切りで気持ちよく吸う方が、曲も自然に聞こえます。
2小節ほどの短いフレーズに分ける
最初から1曲を通さず、無理なく一息で吹ける長さに分けます。
短い部分を吹いたら、いったん手と口を休めます。次に、同じ部分を少しだけ力を抜いて吹きます。
息が足りなくなる場所まで頑張るのではなく、余裕があるうちに止めてよいのです。
音を出さず、呼吸の位置だけ練習する
楽器を持たずに曲を聴き、決めた場所で息を吸ってみます。
鼻歌や「ター」という声でメロディーをなぞると、息を使う長さを確認できます。
先に呼吸の流れを覚えてから楽器を吹くと、指や音を間違えた時にも慌てにくくなります。
ゆっくりしたテンポから始める
速いテンポでは、息継ぎの時間も短くなります。まずは、元の曲よりゆっくり吹いてみましょう。
息を吸う位置を守れるようになったら、少しずつ本来の速さへ近づけます。
速く吹けたかではなく、苦しくならず、きれいな音で終えられたかを目安にしてください。
息が続かない時に避けたい3つの練習
苦しい状態で頑張り続けても、楽な吹き方は身につきにくいものです。
1.長い音を限界まで伸ばす
長く伸ばすことだけを目標にすると、体に力が入りやすくなります。まずは短くても、音量が大きく変わらず、最後まで余裕を持てる長さで練習しましょう。
2.苦しいまま曲を最後まで吹く
途中で息が足りなくなったら、そこで止まって構いません。苦しくなる少し前に息継ぎを増やし、短い部分ごとに練習してください。
3.大きな音ほど良い音だと思う
音楽には、強い音も優しい音も必要です。音量を上げることより、自分の息で音の表情を変えられることを楽しみましょう。
曲によって息の使い方を変えてみましょう
ゆったりした曲
長い音が多い曲は、最初に息を使いすぎないことが大切です。
一音ずつ強く吹かず、息の流れを細く長く保つような気持ちで演奏します。フレーズの切れ目では、慌てずに吸えるよう、少し早めに準備しましょう。
同じ音が続く曲
同じ音を何度も吹く時は、一音ごとに息を止めると苦しくなりやすくなります。
息の流れは急に止めず、舌や鍵盤の動きで音の区切りを作ります。最初は二音、次に四音と、短く分けて確認しましょう。
テンポの速い曲
速い曲は、一回の息継ぎに使える時間が短くなります。
長く深く吸おうとせず、短い休符やフレーズの切れ目で素早く吸います。最初は速度を落とし、息継ぎの位置を守れることを優先してください。
楽譜を読むことに不安がある方へ
息継ぎの位置は、楽譜をすらすら読めなくても決められます。先に曲を聴き、歌って区切りを探す方法は、楽譜が読めない大人向けの記事で詳しくご紹介しています。
苦しくならない吹き方を、自分のペースで見つけましょう
鍵盤ハーモニカは、自分の息がそのまま音になります。
たくさんの息を出すことよりも、必要な分だけ使うこと。苦しくなる前に息を吸うこと。そして、短い部分から練習すること。
この3つを意識するだけでも、演奏の負担は変わってきます。
「息が続かないから向いていない」のではありません。今の自分に合う息の量や、息継ぎの場所がまだ見つかっていないだけかもしれません。
なお、練習中に強い息苦しさ、胸の痛み、めまいなどを感じた時は、すぐに演奏を中止してください。症状が続く場合は、練習方法だけの問題と判断せず、医療機関へご相談ください。
川崎市多摩区で、息の使い方を体験できます
AYAケンハモスクールは、川崎市多摩区にある、大人のための鍵盤ハーモニカ教室です。
一人では分かりにくい息の量や、曲に合う息継ぎの場所も、実際の音を聴きながら確認できます。
「すぐ苦しくなる」「音が強くなってしまう」「どこで息を吸えばよいか分からない」という方も、無理のない一音から始めましょう。
体験レッスンでは楽器のレンタルも可能です。最新の持ち物や参加費、募集中のクラスは、レッスンのご案内でご確認ください。

